本陣殺人事件 横溝正史

江戸時代からの宿場本陣の旧家、一柳家。その婚礼の夜に響き渡った、ただならぬ人の悲鳴と琴の音。離れ座敷では新郎新婦が血まみれになって、惨殺されていた。枕元には、家宝の名琴と三本指の血痕のついた金屏風が残され、一面に降り積もった雪は、離れ座敷を完全な密室にしていた……。 アメリカから帰国した金田一耕助の、初登場作品となる表題作のほか、「車井戸はなぜ軋る」「黒猫亭事件」の二編を収録。 ～本陣殺人事件の解答は、【耕助の実験】から～ ～車井戸はなぜ軋るの解答は、【恐ろしき妹】から～ ～黒猫亭事件の解答は、八節から～

推理のポイント

【本陣殺人事件】
『密室』物ですのでそのトリックを解くことが重要になります。
文章だけですと、古い言葉が多くてイメージしにくいですが
配置図を元に頑張って解くしかないです。
それと『あとから思えばこれが…』的な表現があちこちに出てきますので、
その前後の記述はよくチェックしましょう
このトリックを見破れば、『誰？』が『何のために？』というのも見えてくると思います。
ただ、動機に関しての難易度は相当高いと思います
金田一耕助シリーズにおける世界観というか何というかを
改めて感じることができる作品です

【車井戸はなぜ軋る】
帰ってきた男は『大助』と『伍一』のどちらなのか…それに集約されます。
男の行動に、『大助』だとしたら…『伍一』だとしたら…と
その行動理由をつけることができるかが鍵です。
そして事件の真相を見破ってください。

【黒猫亭事件】
『顔がない屍体』物です。
―『いつかこのテーマ（顔がない屍体）を取りあつかって、犯人と被害者のいれかわりという、公式的な結末以上の結末をもって、探偵小説の鬼どもを、あっといわせてやりたくてたまらないんですよ』―Y氏
事実を整理することと、文章中に潜むヒントに気付けるかがポイントです